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国際機関の名称を含む商標:KENFOXはカンボジアでの商標拒絶にどのように成功裏に異議申立てを行ったのか?

実務上、地理的名称や政府間機関(IGO)の略称を含む商標は、国家の象徴、紋章、名称または国際機関の名称等の使用を禁止する規定に違反するとして、各国の知的財産庁によってしばしば登録を拒絶される傾向にあります。

しかし、KENFOX IP & Law Officeは最近、マドリッド制度に基づき国際商標登録された商標の所有者を支援し、カンボジア知的財産局(DIP)が発行した一時的な拒絶通報を覆すことに成功しました。当該拒絶は、「CONEASEAN」という商標(国際登録番号1523889)に関するものであり、第16類および第30類の商品に対する保護を求めるものでした。

法的障壁:「ASEAN」の使用と政府間機関(IGO)の象徴等に関する制限

当初より、カンボジア知的財産局(DIP)は、「ASEAN」という語が含まれていることを理由に当該商標の出願を拒絶しました。「ASEAN」は東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian Nations)の略称であり、これは政府間機関(IGO)に該当します。DIPは、カンボジア商標法施行に関する政令第4条(d)を引用し、商標に政府間機関の名称や象徴を使用することは禁止されていると判断しました。その結果、当該商標は保護対象として不適格とされました。

対応戦略:識別力の主張、統一商標理論の適用、および国際的な先例の提示

DIPの拒絶通報に対し、KENFOXは法的に根拠のある説得力の高い主張を提示し、「CONEASEAN」商標が保護要件を十分に満たしていることを強調しました。具体的な主張の要点は以下の通りです:

  • 当該商標は創作された用語であり、固有の識別力を有し、特定の機関や団体を直接的に想起させるものではないこと;
  • 視覚的・音声的にも、「CONEASEAN」は /CO-NEA-SEAN/ と発音され、「ASEAN」とは明確に区別されること;
  • 当該商標は、いかなる政府間機関の認証、支援、提携を暗示するものではないこと;
  • 標準文字で構成され、誤認を招くおそれのある図形や装飾的要素は含まれていないこと。

さらに説得力を高めるために、KENFOXは、同様の商標が他国においては問題なく登録されている事例を比較証拠として提出しました。これにより、カンボジアの拒絶決定が国際的な商標審査基準、特に統一商標理論(Doctrine of Composite Marks)と比較して一貫性を欠いていることが明らかになりました。同理論においては、商標の識別力および登録可能性は、構成要素を個別に分析するのではなく、全体的観点から評価されるべきであるとされています。

結果:「CONEASEAN」商標の保護が承認される

KENFOXが提出した法的主張および裏付け資料を精査した後、カンボジア知的財産局(DIP)は当初の拒絶通報を撤回しました。代わりに、DIPは登録を承認する決定を発行し、「CONEASEAN」商標の有効性および登録可能性を正式に認めました。

この結果は、創造的に構成された商標の識別力を認めるものであると同時に、体系的かつ戦略的な法的対応の有効性を示すものです。国際機関に言及する要素を含む商標の審査において、より精緻な判断枠組みの形成に資する重要な先例ともいえます。

結論

「CONEASEAN」事件における肯定的な結果は、初期の拒絶通知が必ずしも商標保護の道を閉ざすものではないことを明確に示しています。たとえ商標に政府間機関(IGO)の名称や略称と類似する要素が含まれていたとしても、当該商標が明確な識別力を有し、誤認混同のおそれがなく、法的に整合性のある主張と国際的な先例によって裏付けられている限り、登録の可能性は十分に存在します。

本件でKENFOXがクライアントのために達成した成果は、単なる法的勝利にとどまらず、不断の努力、法的洞察、そして戦略的対応が、一見克服不可能に見える法的障壁を先例確立の機会へと転換し、革新的な商標が厳格化する国際的法制度の中で活躍する道を切り拓くことができるという重要な教訓を示しています。

QUAN, Nguyen Vu | Partner, IP Attorney

PHAN, Do Thi | Special Counsel

HONG, Hoang Thi Tuyet | Senior Trademark Attorney

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